退職願の書き方
退職の意思は、きちんと書面にして提出するのが基本。間違いのない退職願を書くために、基本的なルールをチェックしておきましょう。
用意するもの
- 黒の万年筆もしくは、サインペン
- 無地の便せん
- 印鑑・朱肉
- 封筒(白無地または郵便用)
ポイント
- 封筒の表に、送り仮名をつけず「退職願」と書く。「辞表」ではありません。
裏に部署と名前を書く。 - ワープロではなく、手書きで。(縦書き)
- 用紙は四つ折りまたは三つ折りにして封筒に入れる。
それでは例にならって書いてみましょう。
チェックポイント
- 書き出しの「私事」または「私儀」は、最初の行の下に書く。
- 年号は元号で。
- 退職願の日付は、提出する年月日にする。
- 名前は宛名よりも下に書き、最後に捺印。
- 宛名は社長にし、敬称の「殿」をつける。
退職金申請
退職金とは、退職する際に会社が支払う手当のこと。退職金の規程は各会社独自の制度によって定められています。また、退職金制度のない会社もあります。
退職金の対象者は一定の勤続年数を超えた社員で、勤続年数が長いほど多くの金額が支払われるのが基本です。ただし、自己都合で退職する場合は、支給額が少なくなります。また、最近では勤続年数ではなく成果に応じたポイントで支給額を決める会社もあります。
退職金の内容は
- 雇用保険から支払われるもの
- 会社の清算金
- 会社独自の退職金制度
- 年金基金の退職一時金
「年金基金の退職一時金」について
自分で申請手続きをする「年金基金の退職一時金」には2つの受け取り方法があり、本人が選択することができます。
- 退職時に受け取る
- 老後に加算年金として受け取る
2の「老後に加算年金として受け取る」の場合は、退職後に会社から退職所得の源泉徴収票が送られてきますので、該当する事業所で申請手続きを行ってください。(申請時に必要な事業所番号は前の会社で確認しておきましょう)
退職の段取り
そのために退職の意思は、退職希望日の2カ月前には伝えます。(1カ月前には退職願を提出できるように)退職願は直属の上司に提出しますが、いきなり退職願を提出するのではなく、まず業務時間外に相談の時間をつくってもらい、話すようにしましょう。留意された場合は、転職の意思が固まっていることをはっきりと述べます。また、転職先以外の企業からも内定をもらっている場合は、電話で担当者に直接辞退の意思を伝えましょう。辞退の理由は、具体的に述べる必要はありません。
引き継ぎ
円満に退職するためには後任者にきちんと引き継ぎをすることが重要です。スムーズな引き継ぎはあなたの評価にも関わるので、直前で慌てないよう少しずつ準備をしておきましょう。
スケジュールをつくる
まず、誰が何の仕事を引き継ぐか、引き継ぎに何が必要かを書き出し、退職日から逆算してスケジュールを立てます。後任者への仕事内容の説明、顧客や取引先への挨拶などの日程を具体的に書き込むことがポイントです。後任者への引き継ぎは、退職する3潤オ5日前に完了させましょう。
書類にまとめる
仕事内容、今までの仕事の経緯や現状、顧客や取引先の情報などは、誰が見ても分かるように書類にまとめておくことが大切です。あわせて、後任者との打ち合わせで内容の確認を行うようにしましょう。また、資料も分かりやすいように整理し直すことも忘れずに。
業務について
- 業務内容の説明
- 業務の優先順位
- 業務の経緯と現状
- トラブル履歴と対処法
- 書類の作成方法とポイント
- 資料の保管場所など
取引先について
- 取引先ごとの業務内容と連絡先
- 各取引先の情報など
取引先への挨拶
後任者が決まれば、顧客や取引先に挨拶回りをします。挨拶なしに後任者がいきなり現れると、トラブルのもとになるだけでく、会社の信用問題にも関わってきますので注意しましょう。
退職時に返すもの・受け取るもの
退職の際には、会社に返却しなければならないものや、転職先に提出するために会社から受け取らなければならないものがありますので、忘れないようチェックしておきましょう。
返却するもの
- 健康保険被保険者証
- 退職と同時に資格がなくなります。転職先が決まっている場合は新しい会社の健康保険に加入します。決まっていない場合は自分で国民健康保険などに加入するようにしましょう。
- 身分証明証、通勤定期券
- 社員証明証や社章、名刺など、社員であることを証明するものはすべて返却しなければなりません。また、通勤定期券は退職日までに精算します。
- 制服、備品
- 制服、書籍や文房具など、会社の経費で購入したものは返却します。
- 書類、データ
- 業務に関わる資料やデータは、自分で作成したものであっても返却します。
受け取るもの
- 雇用保険被保険者証
- 雇用保険の被保険者であることを証明する書類です。転職先が決まっていない場合は、雇用保険の失業給付の際に必要となります。転職先が決まったら、新しい会社に提出します。
- 離職票
- 雇用保険の失業給付に必要な書類です。転職先が決まっていない人は、手続きの際にハローワークに提出します。離職票は交付されるまでに時間がかかるため、退職後に郵送してもらいましょう。転職先が決まっている人は離職票は必要ありません。
- 年金手帳
- 厚生年金の加入者であることを証明する書類。転職先が決まっていない場合は、市区町村の役所で国民年金の加入手続きをしましょう。転職先が決まったら、新しい会社に提出します。
- 源泉徴収票
- 所得税の年末調整に必要な書類です。転職先が決まっている場合は新しい会社に提出し、前の会社の分と合わせて年末調整します。年内に転職先が決まらなかった場合は、翌年に税務署で確定申告するために使います。
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